小学校六年生の時のことです。私は、岡田君の教科書に卑猥なコトバを落書きした疑いで先生裁判にかけられました。身に覚えのないことなので、私は「やってねえよ! なんでいつも俺ばっか疑うんだよ!」と最後まで無罪を主張し続けました。けれど、自分がやったことをすっかり忘れていただけで、犯人は間違いなく私だったのです。さっき思い出した。ごめん岡田。あと先生も。
そんな十数年前の犯行を告白したところで、本題です。
ペット系の親バカ日記とか、あるじゃないですか。親バカ日記っつーか、バカ日記っつーか。特別可愛いわけでもない、犬だの猫だのハムスターだのの写真をデジカメで撮って載せちゃったりするやつ。
素人が撮ってるもんだから、光の加減で目が異様に光っちゃったり、輪郭がシャープすぎたり色彩が鮮明すぎたりして、体毛のふかふか感がまったく活かされてなかったり、ベストショットとは言いがたいふぬけたポーズをしていたり、ただでさえあんまり可愛くないのがさらに可愛くなくなっちゃってたり、その写真にどうでもいいコメントつけちゃったり、しまいには、フキダシつけて「きょうはさむいにゃ〜(猫語)」なんて、飼い主が勝手に考えた心底どうでもいいセリフを喋らせちゃったり、「なーにやってんだか。ハハ」程度の感想しか持ち得ないようなやつ。
どうぶつ大好きっ子であり、なおかつふかふか愛好家として一部で(ほんとうにごく一部で)有名な私にしては、ずいぶんそっけない感想かもしれないが、私はどうぶつ大好きっ子であると同時に、どうぶつ写真大好きっ子でもある。
書店で販売している写真集や、一枚150円もしやがるポストカード。そんな「小動物を撮らせたら右に出るものはいない」プロフェッショナルのカメラマンが撮ったどうぶつ写真ですっかり目が肥えてしまった私にとって、そこらの素人がデジカメでぱちりと写した写真など、履歴書に貼る証明写真みたいなもの。「はいはい、猫ね」とか「ああ、犬だね」としか言いようがないのだ。
そんな世に氾濫しているペット日記について、深夜のファミレスで友人たち(全員サイト持ち)と熱く語っていた時のこと。
「ペット日記ってうぜえー」「もうちっとひねったコメントつけろよ」「あんなんでいいなら1日5回更新できるぜ」「楽でいいよなあ。ペットなんてネタの宝庫だもんなあ」「あ、コーヒーおかわり」などと話を弾ませているうちに、こんなことを思いついた。
「被写体が動物だからクソつまんねえんであって、アレと同じことを人間でやったら面白いんじゃないか?」と。
浮浪者やサラリーマンのなにげない日常のひとコマを撮影し、彼らに勝手に名前をつけて、ペットとして紹介するのだ。もちろん、写真の下にはかわいらしいコメントを添えて。
たとえば、
浮浪者がダンボールを集めてる写真に「ジョンのふゆじたく」
ゴミ箱をあさっている写真に「ジョンははたらきもの」
ゴミ箱から拾った雑誌を片手に「わあい。きれいなジャンプをみつけたぞ」
他の浮浪者とのツーショットで「ともだちのラッシーがあそびにきたよ。常時手が震えてるけど、いいやつなんだ」
新宿地下通路で「強制撤去後、ここも寂しくなったよね」
最後は、きれいに片づけられたおうちの跡地に花が飾られている写真に「今年の冬はさむかった」
サラリーマンバージョンでは、
電車に揺られて「満員電車はにがてだよう」
電話を片手にしょんぼりしながら「得意先におこられちゃった」
ソリティアしながら「けっこうヒマなんだよね。会社員て」
午後の公園のベンチで「会社にもどるの、イヤだなあ」
コピー機のトナー片手に「あれあれ? これはどこに入れるのかな?」
上司とおぼしき人の机の前で最敬礼「あたまをさげることならボクにおまかせ!」
とりあえず切ってもらった領収書をじっと見つめて「これはけいひで落ちるかな?」
窓の外をながめながら「鳥っていいよなあ、自由で」
どうだろう。なんとも心温まるペット日記になりそうじゃないか。
サイトの1コーナーとして、是非やりたい。……そう思ったのだが、実行するには色々と問題がある。
まず、被写体。浮浪者ならば、そこらに転がってるのを隠し撮りすればいいだけだが、万が一見つかった場合、割れたビール瓶片手にどこまでも追いかけてきそうで怖い。相手がサラリーマンの場合も、会社内で隠し撮りをするのはかなり難しそうだし、仮に撮影・掲載許可をもらったとしても、勝手にペット扱いされてることを知られたら、すごい怒られそうだ。
一番重要な問題は、私がデジカメを持っていないということなんだが、誰か代わりにやってくれないだろうか。こんなサイトがあったら、毎日アクセスするんだが。
■今月のおすすめサイト
テーマ日記/Web Link (デッドリンク)
公開している時点で秘密もクソもねえ「秘密日記」、自分で言ってりゃ世話ない「ダメダメ日記」など、テーマ別に様々な日記がリンクされている。もちろん今回のテーマになった「ペット日記」も多数掲載。お勧めのカテゴリは「おもしろ日記」。「おもしろ」と自称されているだけあって、中身は目を見張るほどのつまらなさ。